扶養のルールが変わる?!-「年収の壁」対策Part2-

こんにちは。林事務所の永井です。
前回のブログ(→こちら)で、10月からスタートした「年収の壁」対策についてお伝えしましたが、今回はPart2ということで、すこし細かく解説したいと思います。

扶養の範囲内で働いているパートさんなどは、「本当はもっと働きたいけど、扶養から抜けたら保険料が高くなるから調整して働かないと…」とお悩みの方も多いと思います。こういった ”働き控え” を解消し、年収の壁を意識せずに働く時間を延ばせるようにと「年収の壁」対策がスタートしました。

そもそも年収の壁とは?

103万・106万・130万・150万・・・と色々な「年収の壁」を聞いたことがあると思いますが、今回スタートしたのは社会保険にかかわる「106万円」と「130万円」の壁(そのほかは所得税に関する壁です)についての対策になります。

●106万円の壁 = 社会保険に加入しないといけなくなるライン
週20H以上、月収8.8万円以上などの要件を満たすと社会保険に加入しないといけません。(従業員が101人以上いる社会保険適用事業所で働いている場合)。

月収8.8万円を年収に換算すると8.8万円×12ヵ月≒106万円ですので、社会保険に加入しないといけなくなる最低ラインとして「106万の壁」と呼ばれています。
社会保険に加入すると扶養から抜けてしまい、社会保険料の負担が増えます。

●130万円の壁 = 扶養から抜けてしまうライン
年収見込みが130万円を超えると扶養から抜けてしまい、社会保険や国民健康保険に加入することになりますので、こちらも保険料の負担が増えます。

「年収の壁」対策の内容は?

では、年収の壁を気にせず働けるようにどんな対策が取られたのかみていきましょう。

●106万円の壁対策
いままで社会保険に加入していなかった従業員が新たに社会保険に加入し、賃金を15%以上UPするなどの条件を満たした場合に、事業主が申請できる助成金が新設されました。(キャリアアップ助成金/社会保険適用時処遇改善コース)

社会保険料の本人負担額は賃金の約15%ですので、その分賃金をUPして本人の保険料負担を実質ゼロにし、本人の手取りが減らないようにしようというのが目的です。

ただ、15%UPして支払った賃金が全額助成金でまかなえるとも限らず、会社負担の保険料(社会保険料は本人と会社が半額づつ負担します)の補助もありませんので、「会社の負担が増えてもいいからパートさんにもっと働いてほしい」という会社向けの対策かなと思います。

●130万円の壁対策
一時的な収入の増加により年収が130万円を超えた場合でも、「一時的な増収である」旨の事業主の証明書を提出することにより、引き続き扶養に入ったままでいられるようになります。(2年間限定)

”一時的な収入の増加”は繁忙期で残業が増えた場合などが想定されています。
逆に、基本給が上がったことにより年収見込みが130万円を超えるような場合や、所定労働時間が増えて社会保険に加入しなければいけなくなった場合は、扶養から抜けてしまいますので注意してください。あくまでも「基本給や所定労働時間はいままでと変わらないけれど、一時的に収入が増えてしまった場合」は扶養に入ったままでOKですよという話です。

●配偶者手当の見直し
「配偶者の年収103万以下」など一定収入以下でないと配偶者手当を支給しないというルールにしている会社も多いですが、これもまた”働き控え”につながりますので、配偶者手当についても廃止や縮小に向けた見直しを促すとしています。

対策の内容はわかったけれど・・どういう働き方をすればいいの?

色々とご説明しましたが、”結局扶養に入ったままでいられるの?” ”どういう働き方をすればいいの?”と路頭に迷われている方のために、「年収の壁 Yes/Noチャート」を作りました。今後の働き方のご参考にされてみてください。

扶養に関するご相談は林事務所まで

扶養制度や年収の壁について、詳細なご説明をご希望の方は林事務所へお問い合わせください。
社会保険の手続き(入退社・扶養手続き・算定基礎届の提出など)も承っております。
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