こんにちは。社労士の永井です。
そろそろ年末調整の時期ですね。
色々書類を記入して、保険料の明細を提出して…
年末調整ってよくわからないけどお金が少し戻ってくるな~というイメージでしょうか。
今回は、年末調整のしくみについて簡単にご説明したいと思います。
年末調整とは、「所得税」の清算手続きです。
所得税は毎月のお給料から源泉徴収(天引き)されますが、この時点ではざっくりとした金額で少し多めに引かれています。
12月になり、1年間(1月~12月)に支払ったお給料から正確な所得税額を計算します。
毎月多めに引かれていますので、ここで差額が戻ってきます。(=年末調整)
生命保険や医療保険、Idecoの掛け金などを支払っている場合は、年末調整の時にその分を給与の総額から控除して所得税を計算してもらえます。
(生命保険や医療保険は控除の上限額が決まっていますが、Idecoの掛け金は全額控除されます)。
給与の総額が減るということは課税所得(所得税の計算のもとになる所得額)が減りますので、所得税も少なくなります。
また、住宅ローン控除を受けられる場合は、給与の総額ではなく所得税の金額そのものから控除されるため節税効果大です。
年末調整で社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)は戻ってこないの?と思われる方がいらっしゃると思いますが、、
社会保険料は残念ながら年末調整で戻ってきません。
社会保険料は、毎年4月~6月に支払った給与からその年の9月~翌年8月までの保険料を算出し、原則として1年間毎月固定した保険料が給与から控除されます。
(固定給が変動した場合や、保険料率が変更した場合などは途中で変更になる場合もあります)。
所得税と違い、ざっくりではなく毎月確定した保険料が天引きされますので、途中で清算して保険料が戻ってきたりすることはありません。
年末調整はあくまでも「所得税」の清算手続きになります。
また、同じく給与から天引きされる「雇用保険料」も、支払った給与の総額に雇用保険料率をかけて確定した保険料を毎月天引きしますので、
こちらも清算して戻ってくることはありません。
社会保険料や所得税は、どちらも給与から天引きされるので混同されがちなのですが、計算方法や清算の有無などまったく異なるものです。
「社会保険と税金はまったく別物」というキーワードを頭に入れてくと、扶養の考え方なども少しわかりやすくなると思います。
(扶養については今後ブログでお伝えする予定です)。
弊所では給与計算、保険料のチェック、手取り額の試算などのご相談もお受けしておりますのでお気軽にご相談ください^^