昨今の厳しい暑さを受け、熱中症対策の重要性がますます高まっています。法律により企業にも対応が義務付けられる中、皆様の職場ではどのような取組がされていますか?今年の猛暑は「異常」とも言えるほどで、来年以降も継続する可能性が高いと予測されています。各企業で様々な熱中症予防策が講じられるなか、新たな対策として注目されているのが「暑さ手当」の導入です。
■ 「暑さ手当」とは
「暑さ手当」とは、高温環境下で働く従業員の健康と安全、そしてはたらきへの敬意とモチベーション向上を目的として導入されている手当です。従業員にも好評でTVやウェブメディアでも多数取り上げられ、好意的な評価を受けています。建設業界を中心に広がっており、人材の定着や新規採用にも貢献しています。例えば、「30度以上の日は500円」、「35度以上の日は1,000円」といった支給例があります。また、ファン付き作業服を併用する企業も多く、実務的な対策とセットで行っている企業も多いようです。
■ 従業員の声
従業員からは次のような声があり、安心感とやる気の向上につながっていることが伺えます。

気温が上がるほど、自分の働きも正当に評価されている気がする

暑くても頑張ろうという気持ちになる

飲み物とかアイスなど熱中症対策に使えて安心
■ 採用活動への効果
現場作業専門の求人サイト「クロスワーク」によると、「暑さ手当」をうたう求人は現在300件以上掲載されており、年々増加傾向にあります。企業イメージや採用力の向上にもつながると考えられます。
■ 企業の責任としての対応
今後の気候変動に備え、従業員の安全と人材の確保は重要な経営課題となっていきます「暑さ手当」はその一助として、導入を検討する価値があります。検討してみてはいかがでしょうか。なお、導入については、下記の点に注意して検討していただければと思います。
「暑さ手当」のメリットとデメリット
立場 | メリット | デメリット |
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従業員側 | モチベーション向上、収入増 熱中症予防対策 | |
企業側 | 採用強化、定着率向上、 PR効果 | コストアップ、制度設計検討 |
社会 | 熱中症減少、現場作業停滞減少 | 各社導入への圧力 |
企業の検討課題
課題 | 検討 |
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自社に必要か | 建設、物流、製造業、清掃業、販売等は検討? |
コストアップ | 他の福利厚生制度の見直し等 |
対象部署 | 不公平感の解消 |
制度 | 手当のみ、手当と空調服セット等 |
運用 | 運用ルールの明確化、運用管理 |
広報、告知 | 採用に利用 |